60年前に製造されたGirard-Perregaux sea-hawkの手巻き時計を所有されるコレクターからスケルトン仕様への作り替えを頼まれた。その事由は幾つか重なっていた。話を伺うとムーブメント裏面が綺麗な事。竜頭が接手巻真であり竜頭を取り外す時、力ずくで引き抜かねばならずムーブメントが壊れそうに感じる事。内胴と裏蓋がステンレス一体で作られているが、フレームは14K製の枠で内胴に被せるように取り付ける一昔前のものだった。。非防水。それで18KYG製内胴と裏蓋を2部品として新規に製作し、防水パッキンを入れて防汗とし4本ねじで固定するよう作り替えを行った。サフャイヤガラス超しにムーブメントの作動も見えるし竜頭の取り外しは裏蓋を外したあとオシドリ止めねじを緩めて安心して巻真から抜けるようになります。総厚はオリジナルと変わらずでしたが、側面視がやや厚ぼったく感じる傾向が少し残念ではありましたが想定の範囲でコレクターから予想以上に良く出来ているとの発言でした。併せてバンド取り付けのバネ棒穴が長年の使用により摩耗し穴径が大きくなっていたこと、バネ棒穴がラグを貫通しているのでめくら穴に変えたいとの要望を叶えるため別部材をラグ外形に少し突き出させてろー付けを致しました。コレクターさんの感性も優れていました。ムーブメント全受けに注油し組み込みましたのであと10年はよいのではないでしょか。写真は裏面から見たものです。