12月10日に南信州の売木村のうるぎ国際センター支配人をされている、 五月女 ニーザー アレクサンダー氏(ALEX)を訪ねました。 売木村へは諏訪から120㎞の距離でしたが、中央道を松川インターで降り一般道を走りました。
愛知県と長野県の県境に位置することを自覚して行けば良かったですが、南信州は初訪問で飯田市の近くとの印象でしたし平地との思い込みは間違いで予想に反して平地は少なく凹凸の土地柄で西日の当たる斜面に民家が軒を並べている光景はそこを訪れたたくなる情景の阿南町を過ぎ151号の国道を千石平の道の駅を右折し売木峠を越えて売木村に到着します。
村役場の海抜が850mの高地ですが周りの山並みが穏やかであるのでその海抜の高さを感じません。途中にささゆり荘の温泉施設が眼に入ったのでこの地区には多くの笹百合が有るに違いない、と予想したのですが、売木小中学校の校庭脇斜面には下伊那農業高校の生徒による繁殖活動で夏には多くの花弁をつけるそうです。
目的はマルチリンガルのアレックス氏によるバッハ作曲ドイツ語の [Jesus bleibet meine Freude,] bwv.147 の発音を録音し指導頂くことでした。彼はベルギー生まれでドイツ国籍です。
この名曲を原曲で覚えようと決心し、母国の人の発音に接しておきたいからです。 Kraft の発音は特に参考になりました。私の発音は英語の発音だと指摘されまして コォラフト の発音に近いと思いました。Jesusは今のドイツでは使われなくなった古語とのことです。
しっかりと彼の発音を録音し繰り返し聞いていますが、曲に乗せると語尾が聞き取れない変化が起こります。
アレックスに故郷はどこですか、と質問しますと敢えて言えばEUと答えてくれました。ご両親が国を異にするバイリンガルのご家庭に生まれたので息子に聞かれたくない時にはご両親が英語で会話をしていたのだそうですが、ある時その英語を真似たら(意味は判らなかったが)判ってしまっていると叫んだといったのだそうです。
聴力が素晴らしいし、言語の微妙な発音の相違を聞き分けられていることが特殊な能力と思いました。
アレックスが愛知県で働いていた時、バイクで国道151号のツーリングに良く出掛けられて売木村にも来たのだそうです。
現在は売木村の地域おこし協力隊としてうるぎ情報発信オフィスのインバウンドを担っておられます。 築100年の古民家を改修されたうるぎ国際センター(UIC)ですが、アレックスは日本の炬燵と囲炉裏と木材の織り成す生活環境に特に興味を持たれている様子です。
私も同様に天然木材をつかった建築には憧れさえ感じますがこの点は彼と同様な価値感を持ちます。
何回か宿泊している奈良県宇陀市にある 奈の音 のゲストハウスを思い出します。ケヤキの一枚板の襖、30㎝もある土蔵の扉、むしこ窓、瓦のむくり屋根、 彼が見れば感動ものでしょう。